ミサワホーム静岡は、9月7日にホテルグランヒルズ静岡でMBPフォーラムを開催した。当日は悪天候にもかかわらず、静岡県全域から不動産、金融、税理士、協力会社など多岐にわたる業種のMBPの皆さま287名が参加した。特別講演では、ミサワホームの作尾徹也社長がトラスを採用した大空間の木造非住宅に注力するといった同社の今後の事業方針などを示した。その後は懇親会も華やかに行われ、活発な情報交換が行われた。





冒頭、主催者を代表してミサワホーム静岡の榎本裕二社長が登壇。直近で発生した令和8年熊本地震や千葉での豪雨被害など自然災害に触れ、「我々の建てた家も多数あり、決して他人事ではない。防災対策は喫緊の課題」と危機感を示し、被災地への見舞いと復旧に向けた支援の意を表した。
また、昨年からフォーラムの名称を「MBPフォーラム」と改めたことに言及し、「全方位で地域密着を社員の心に刻み、あらゆる事業分野の方々と交流を深めていく決意の表れである」と説明。その成果として、昨年度は過去最高益を達成し、売上の約60%がMBP会員をはじめとする多方面からの紹介や協業によるものだったとして深い感謝を述べた。
続いて特別講演に移り、第1部では元衆議院議員の金子恵美氏が「優秀なリーダーの共通点」と題して講演を行った。
これからの時代のリーダーには、予測困難な事態に対する「危機管理能力」と「リスク対応力」が不可欠であると指摘。現場の小さな不満や問題をいち早く察知し、自ら率先して素早く行動して芽を摘み取る重要性を説いた。
加えて、マネジメント術として、部下からの意見を頭ごなしに否定せず、まずは「受け止める」コミュニケーションの重要性を強調。相手の良いところを探して言葉で伝えることが、信頼関係の構築を生み出すと語り、巧みな企業経営につながるヒントなどを述べた。
特別講演の第2部では、ミサワホームの作尾徹也社長が登壇し、「〝HOME〟の可能性」をテーマに、同社の事業戦略と今後の目指す姿を語った。
直近の市場環境については、住宅着工戸数の減少や金利のある世界への転換、建築費の高騰など厳しい課題が山積しているなかで、足元の連結業績が好調に推移。2025年度は、新築事業における1棟あたりの付加価値向上や生産性改善が功を奏し、ストック事業やまちづくり事業の伸長もあって増収増益を継続している。
こうしたなか、作尾社長は来年以降に向けた同社の新しい方向性の一つとして、木造非住宅分野を拡充する方針を示した。
具体的には、トラス構造を採用した大空間の木造非住宅の供給を増やしていく考えだ。12㍍の鋼製トラスを採用することで、フレキシブルな大空間を実現する「名古屋工場内設計センター」を自社での実例として紹介。これは今後、大空間の木造非住宅を外部に販売していくためのプロトモデルであり、2026年度中に完成する予定だ。完成後は、ショールームなどとしての活用も見込む。
さらに、「将来はこの鉄製のトラスを木質化し、ミサワホームの工場で内製化した上で、大規模な非住宅建築を量産していきたい」(作尾社長)とした。
そのほか、新たな総合不動産ブランド「ミサワリレイ」の立ち上げや、全国で進む複合開発事業「ASMACI(アスマチ)」、南極での極限環境下における建築ノウハウの蓄積などを紹介し、「今後もMBPの皆様と連携・共創し、地域経済の成長に貢献していきたい」とミサワホーム全体としての意気込みを語った。
特別講演の後には、ミサワホーム静岡から県内における各事業の取り組みを報告した。戸建事業においては、着工件数の約3割強を占める平屋住宅のトレンドに対応し、高天井のリビングと大収納を兼ね備えた「蔵の平屋」の提案を強化。駿河区の住まいのテーマパーク「ミサワ住まいパーク」の活用を推進するとともに、建売分譲用の土地仕入れを積極的に行っているとした。
非住宅・不動産・マンションプロジェクトを担う開発事業分野では、木造からRC・鉄骨まで全工法に対応できる強みを活かし、多様なまちづくり事業を推進。とくに県内の大型プロジェクトとして、三島駅南口における再開発・分譲マンション事業「ASMACI三島」に加え、富士駅北口、藤枝駅北口の再開発のほか、静岡市池田での分譲マンション事業などが順調に進んでいることを報告した。今後も多角的な事業展開に向けた用地取得などを強化していく考えで、「建物のことならまずはミサワホームに相談を」と呼びかけた。
フォーラム終了後の懇親会では、ミサワホーム静岡の小林健 専務執行役員が挨拶に登壇。直近である26年度4~7月にかけてのMBPを通じたビジネスマッチングによる成約が、対前年比33%増と好調に推移していることを報告し、改めて参加者への深い感謝を伝えた。

