トップ - HomeClub特集 / 住まいの計画を立てる - 工場で高精度かつ高品質な部材を生産完全邸別生産方式で現場の施工品質や省施工に貢献
2024.12.31
部材を工場で生産することは、工業化住宅の象徴といえる要素。ばらつきの少ない高精度で高品質な部材生産など、工場生産には数多くのメリットがある。とりわけミサワホームの工場生産には、特別な意味がある。なぜなら、地震による倒壊ゼロ※を誇る「木質パネル接着工法」は、高精度の工場生産だからこそ実現できるからだ。木質パネル接着工法が強靭な「モノコック構造」となることは先述した通りだが、ここで重要なのは、木質パネルが"点"でなく"面"で接合されていること。点接合の場合は、外からかかる力が接合部に集中しやすく、接合のズレや破損が生じやすくなる。一方、木質パネル接着工法は、「床面・壁面・屋根面」すべてのパネルをそれぞれの面同士で強固に接合するため、建物が一体の箱型となり、外力を箱全体で分散して受け止め、変形に強い住まいとなる。そんなモノコック構造をつくるために不可欠なのが、高い接合強度を実現するための部材の精度の高さだ。かつての日本の住宅のように職人が現場で木材をカットする方法では、精度や品質にばらつきが出て、接合強度に影響を及ぼしてしまう。つまり、モノコック構造の強さを最大限に発揮するためには、高精度・高品質の部材を安定的につくれる工場生産の体制が不可欠なのである。
工場生産体制は、現場での施工品質や施工性の向上といったメリットも発揮する。高精度の部材は、組み立て精度が職人の技量や天候の差に左右されにくく、常に安定した高品質を実現。また、一般的な住宅では、サッシやトップライトの設置や階段の部材を組む作業も現場で行うケースが多いが、ミサワホームでは、工場でユニット化された部材を現場で施工する。断熱材の充填や防水処理も安定した作業環境が確保できる工場で実施しており、高精度の実現だけでなく工期の短縮にも貢献。この他、完成した部材を工場から運搬する際にも、現場での作業の順番通りに部材を梱包し、作業時間を短縮するといった工夫も実施。こうした取り組みは、少子高齢化などによる職人不足といった社会課題を解決する一助にもなる。高品質・高効率・省施工。そんな工業化住宅のメリットのさらなる最大化を目指しているのが、ミサワホームの工場生産体制だ。
※地盤に起因する被害、地震に伴う津波や火災による被害は除く。
ミサワホームの住まいは一邸ごとに設計して生産する「完全邸別生産方式」。まずはお客様のライフスタイルや要望をもとに設計図面を作成し、設計センターでデータ化。データは情報管理システムで一括管理され、そのデータをもとにオートメーション化された工場で部品・部材を生産。こうした高度な体制によって、高効率で高品質な生産が可能となる。
ミサワホームの工場では木質パネル以外にも「階段」などの部材も生産している。また、トップライトやサッシのパネルへの組み付けなども実施。こうした工場生産により、安定した高品質や現場での作業を省ける「省施工」を実現する。
トップライトやサッシのパネルへの組み付けを工場で行うことは、現場での高所作業の危険を減らすことにもつながり、作業精度を高めることにも貢献。
工場で生産された木質パネルや部材は、厳しい検査に合格したものだけが現場に運ばれる。それらの部材には、現地での作業手順に即した施工連番が付けられているため、間違いのない組み立てを助け、現場作業の手間を短縮することができる。
ミサワホームは気象情報の提供会社と契約し、部材の運搬日を作業や搬入に適した天候かどうかを見極めて決定する。施工品質や作業の安全へのこだわりの表れだ。
かつての日本の住まいは、現地で木材をカットして組み立てるというつくり方。そのため職人の技量に品質が左右されるという問題があった。そんな課題の解決も工業化住宅のメリットの一つ。職人の技量や天候の差に影響を受けにくく、安定的で高い施工品質を実現する。
高精度で省施工の部材は熟練職人でなくても高品質を実現可能。工業化住宅は職人不足などの社会課題の解決にも貢献。