

トップ - HomeClub特集 / 住まいのイメージをふくらませる - ミサワホームのデザインメソッド
2025.11.30
工業化という手法によって、安定した高品質の住まいづくりを実現しているミサワホーム。その考え方はデザインについても変わらない。大切にしているのは、より多くの人に、常に高いクオリティの美しさを提供することだ。そんなデザインを実現するためのアプローチが「デザインメソッド」の設定だ。デザインメソッドとは、美しいデザインをつくる作法のこと。デザインの要素を10に分類し、項目ごとに「並べる」「揃える」「隠す」などの整理整頓を行う。
一つひとつの要素を徹底的に吟味・取捨選択することで、異質なさまざまな要素が美しく一体化。視覚的なノイズがない、シンプルで洗練された美しさをつくり上げることができる。かつての住まいづくりでは、デザイナーによって美しさのテイストやクオリティが異なるのが一般的だった。だがミサワホームでは、デザインメソッドの設定によって、すべてのデザイナーが、高いクオリティの美しさを安定的に再現することが可能だ。
業界随一のグッドデザイン賞受賞実績を誇り、内外から高く評価されているシンプルで洗練された美しいデザインは、より多くの人に、よりよいものを提供するという「工業化」の精神から生まれたものと言える。


住宅とは、家族のすべての暮らしを受け入れる器となるものだ。それゆえ住まいのデザインは、暮らし方はもちろん、そこで暮らす人の美意識や感受性にも大きな影響を与える要素となる。より快適で、より愉しく、ふれあい豊かに暮らすためにも、住まいが出しゃばり過ぎることなく、あくまでも人が主役であることが大切だ。
「さらに言えば、住まいは長い年月にわたって使い続けるものですから、時代が変わり、住む人が変わっても、ずっと愛着を持てるデザインであることも必要です」
そう語るのは、ミサワホームの桜沢雅樹さん。商品・技術開発部門で、デザインから技術・生産まで、幅広い領域を横断的に統括している常務執行役員だ。
「ミサワホームがシンプルで洗練されたデザインを追求してきた理由も、まさにそこにあります」
桜沢さんの言う「シンプル」とは、決して「単純」という意味ではない。事実ミサワホームの住まいでは、視覚ノイズをなくすため磨き抜かれたシンプルさで末永く愛せるデザインを追求に、配線や配管はもとより、ネジ一本さえ目に入らない工夫が隅々にまで貫かれている。他にも、各部材の寸法を一定の整数倍で設計することで品のよい精緻な空間をつくり、さらには、部材などの角に施す"面取り"も3種類の寸法を設定して、人がふれたときの心地よさにもこだわるなど、味わい深いシンプルさが追求されている。
「装飾に頼らないシンプルなデザインは、耐久性が高くなり、環境性能にも貢献します。これからの日本の住宅は、すぐれた性能が長期にわたって維持される『長期優良住宅』がスタンダードになっていくはずですが、私たちミサワホームは、デザインにおいても将来にわたって優良であることが必要であると考えています」
桜井 雅樹
ミサワホーム株式会社常務執行役員、商品・技術開発本部長、「センチュリーデザインオフィス」代表などとともに、日本バウハウス協会の理事長も務める。