実録 医院開業 成功への道
先輩の声

こっそり教えます。小児科開業の成功の秘訣。

まつなが小児科 院長 松永伸二 先生 「大きな木」が出迎える診療所に建て替えて集患力もさらにアップ

窮屈から、ゆったりしたクリニックへ

玄界灘に沈む美しい夕日で知られる福岡県・宮司浜。その住宅街の一角に、ひときわ目を引く赤い大屋根の建物がある。まつなが小児科だ。地域のランドマークとしてはもちろんのこと、航空地図で見ても赤い屋根が一目でわかるほど、地元の人々にとってはすっかりおなじみのかかりつけ医院である。病児保育所を併設していることもあり、地元のお母さんたちからは安心のクリニックとして、頼りにされている。
開業は1986年。診療圏調査の数字もよくない中でのスタートであったが、院長の誠実で優しい人柄もあって順調に患者は増え、スタッフも20人を超えた。いつしか全体に手狭になり、特に待合室は人が入りきれないほど。待ち時間のイライラ解消のためにネットで待ち状況が確認できる『アイチケット』も導入した。しかし根本的な解決には建て替えしかないと判断。敷地内の駐車スペースを活用して建て替えることになった。その完成に合わせて古い建物は取り壊されることになった。

建て替えに伴い設立されたのが「建て替え委員会」。院長以下、スタッフ数名で構成されたこの委員会が、現状の問題点や建て替えに当たっての要望などをまとめたのだった。
その要望に応えながらミサワホームがプラスαの提案をして完成させたのが、この新しい医院である。
手狭であることが建て替えに踏み切った最大の理由であったことから、とにかく全体に「広く、ゆったり」とした空間づくりが特徴だ。特に目を引くのが待合室の広さ。クリニック1階の半分近くを占める広さで、吹き抜けからの採光も十分であることから、実に開放的な空間となっている。一般の待合室だけでなく、感染予防のための予防待合室、感染症の患者さま用の待合観察室兼診察室も完備されている。

子どもの転倒等を配慮し柔らかな床材を使用したこの広い待合室に足を踏み入れると、大きな木の切り株を模したコーナーが目に飛び込んでくる。ミサワホームのデザイナーのアイデアで実現したキッズルームだ。
この切り株から伸びるように緑の枝が天井に描かれ、木の葉が天井から吊り下げられている。子どもたちにクリニックに親しんでもらおうと提案されたアイデアで、大好評だ。切り株の反対側はレントゲン室になっており、やはり子どもたちが警戒心を抱かずに入れるように工夫されている。
赤い大屋根の建物の中に入ると大きな木の切り株が出迎えてくれるというので、クリニックというよりちょっとしたプレイルームのような印象だ。親子連れに大人気で、集患力向上につながっているのも、うなずける。

空間の広がりを演出する採光

この待合室のほかにも、空間への配慮はクリニック全体に込められている。
小児科は親子で来院することがほとんどであるため、診察室は広くとり、デスクもダイニングテーブルのような大きめのものを用意した。院長は患者と正面から対峙して診察に当たりたいとの考えで、電子カルテへの入力は隣に座る助手に任せているが、これも診察室を広くした理由の一つだ。
受付カウンターは柔らかな印象を与えるために曲線に。待ち時間に患者の容態が急変した場合に備え、一般待合室、予防待合室、感染症用待合室すべてに受付から目が届くように工夫してある。
また、全体の色彩はオレンジ、ベージュ系を中心にして、柔らかさを演出。採光にも十分配慮し、エントランスの吹き抜け、通路の天窓と、たっぷりと光を取り込む工夫がなされている。万一の停電時も支障なく治療できるようにと、屋根の上に太陽光発電装置を設置。照明は、省エネルギーとエコへの配慮を考えて、すべてLEDとしている。