写真:見出し 写真:見出し

暮らしのまん中にあるキッチン&ダイニング
かつてのキッチンは、北側に配置するのが一般的でしたが、最近では、リビング、ダイニング、キッチンが一体化したLDKとして、奥まった場所から、家の中心に配置されることが多くなりました。最近のキッチンは、カラーバリエーションが豊富で、インテリア性の高いものが多いので、リビングともなじみ違和感がありません。キッチンをコミュニケーションの中心と考えると、空間のレイアウトも変わってきます。

リビングを見渡せる開放的なオープンキッチン

キッチンにおける、「狭い」「暗い」という不便さは、間取りの問題だけでなく、キッチンに立ったときの視覚的な狭さや、一人で調理をする孤独感、家族の様子を見渡せないことなども影響しています。そこで、ニーズが高まっているのが、リビング、ダイニングと一体化したオープンキッチンです。キッチンに「広さ」や「明るさ」を求めた結果、「自然と家族が集まるようになった」、「子どもが手伝いをしてくれるようになった」「家事に孤独感を感じなくなった」など、満足度が高くなることもうなずけます。

リビングを見渡せる開放的なオープンキッチン

間仕切り壁を取り払いオープンな空間に

ダイニングとの間仕切り壁を取り払ってオープンにすることで、キッチンの面積は変わらないのに開放感を与えることできます。また、キッチンから食卓までの動線を短くすることで、配膳や後片付けがスピーディにでき、途中に壁や扉などの障害物が無くなるのでスムーズに移動できます。

自由に行き来できるサーキュレーションプラン

キッチンの両サイドからダイニングやリビングと行き来できるサーキュレーションプランです。アイランドタイプのキッチンは、シンクや調理台、あるいはコンロなどがダイニングの方向に独立しているため、二方向からアプローチでき動線を短くできます。

自由に行き来できるサーキュレーションプラン
自由に行き来できるサーキュレーションプラン

キッチンを中心にしたオープンなLDKプラン。(1)ユーティリティやアトリエとしてなど、様々に使えるマルチコーナーとバックヤードを設け、いつもスッキリした空間を保てるよう工夫しています。(2)バックヤードの引き戸を開放するとサーキュレーションプランになり、洗面室や浴室への行き来もスムーズ。家事効率アップだけでなく、コミュニケーションも深まります。

空間に広がりをもたせる明るく風通しのよいキッチン

明るく風通しのよいキッチンにするには、光と風を取り入れる窓を大きめに設けたいものです。キッチンでは収納を確保する必要があるので、どうしても窓は小さくなりがちですが、バックヤードなどを別に設けて収納部分を移動すると大きな窓を設けることができます。シンク前の吊り戸棚を側面の壁へ移動して窓を広げるだけでも光の差し込み方がずいぶん変わりオープンな空間を演出します。
北面に下屋がある場合は、屋根にトップライト(天窓)を設ける方法も。トップライトは壁に設けた同じ大きさの窓よりも3倍の採光が得られるといわれています。キッチンの出窓は正面と左右に加えて、上部をガラス張りにしたトップライトウインドウにすると4面から光を入れることができ、さらに開放感を感じられます。

住宅が密集している環境では、1階よりも採光や通風に優れている2階にLDKを持っていくのもひとつの方法です。建物の構造によっては、小屋裏部分を取り払って天井を高くすることで、一層の広がりと開放感が生まれます。同時に、浴室や洗面室などサニタリーも2階に設けると短い動線で家事全般をすませることができます。

空間に広がりをもたせる明るく風通しのよいキッチン
空間に広がりをもたせる明るく風通しのよいキッチン

家族構成や近隣環境の変化に伴い、通風・採光を考えて2階にLDKを移動したプラン。浴室などサニタリーも同一フロアに配置しています。1キッチンの外には生ゴミ置き場として重宝するサービスバルコニーを設置。在宅していることが多い親世帯の居室も2階に設け、2ホームエレベーターを採用することで上下階の行き来をラクにしています

間仕切り壁を工夫して光を入れる

完全なオープンスタイルではなく、独立性を保ちつつ、キッチンの明るさを確保するには、ダイニングやリビングとの間仕切り壁の上部を少し開けてセミクローズドの空間にするなどの方法もあります。隣室からの光と風が入り、天井部分に空きができたことで開放感も高まります。

色の視覚効果でキッチンに広がりを

キッチンを明るくするには、壁や天井、床の色を、白やベージュといった広がりを感じさせる「膨張色」、あるいは青や緑など空間を広く見せる「後退色」を選ぶなど、色づかいを工夫するのも効果的です。