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トップ - HomeClub特集 / ライフスタイルを考える - 高強度+高耐久+高断熱な「木」は脱炭素社会の住まいに適した素材

Carbon Neutral

高強度+高耐久+高断熱な「木」は
脱炭素社会の住まいに適した素材

#スマートハウス・ZEH

脱炭素社会の実現をめざして、国をあげて推進しているのが木造の建築物だ。
推進の最大の理由は環境にやさしいことだが、木という素材は、他にも数多くのメリットがある。
まずは、木が住まいの素材としてどれほど適しているかを考えてみよう。

明るい未来をつくる木の住まい

脱炭素社会実現の最大の目的は、地球の環境を守ること。それは、これからの時代の子どもたちへ、明るい未来を約束することに他ならない。日本でも、2050年までにCO2などの温室効果ガスの排出量をゼロにするという「カーボンニュートラル宣言」のもと、積極的な取り組みが行われている。そのなかで注目されているのが、木の住まいだ。2021年6月に成立した「改正公共建築物等木材利用促進法」では、脱炭素社会実現のために木材の利用を促進することが明記され、木という素材は今後さらに重視されていくはずだ。

木は住まいづくりに最適

ひょっとしたら、「環境にやさしいのはわかるけど、それだけで自分の住まいに使うかどうかを決めるのは......」と考える方がいるかもしれない。けれど、実は、木は住まいに最も適した建築素材の一つだ。その理由は、住まいのために必要なあらゆる要素をバランスよく備えていることにある。たとえば、強度に影響する「圧縮」「曲げ」「引っ張り」の特性や、断熱性を左右する「熱伝導率」があげられる。上の比較図を見ると、鉄やコンクリートは一芸に秀でているが、補わなければならない要素がいくつもある。対して木は、すべての要素がバランスよくすぐれているのがわかる。他にも、「軽さ」や「加工性」をはじめ、湿度の高い地域での快適性に貢献する「調湿性」など、住まいに最適な長所を数多く備えている。

歴史が証明する木のチカラ

もともと四季の豊かな日本は、夏が暑くて冬は寒く、高温多湿の時期もあり、建物にとっては過酷な環境。そんな国土で快適に過ごす素材として使われてきたのが木という素材だ。法隆寺や東大寺の南大門といった神社仏閣に多い古い木造建築は、強度はもちろん、千年単位で維持される耐久性など、木にすぐれた性質がある証といえるだろう。


「木」の特性は住まいづくりに適している


木は強度や耐久性、断熱性にすぐれているだけでなく、軽くて加工がしやすく、充分に乾燥された木は調湿性も高い。住む人に快適で地球環境にもやさしいなど、建築素材として大切な要素をバランスよく備え、住まいに最も適した素材の一つだ。

火や腐朽にも強い「木」


鉄に比べて火に弱いイメージのある木だが、実は鉄よりも火に強いといえる。なぜなら、火が燃えるためには酸素が必要だが、木は火がつくと表面が炭化して内部への酸素供給を断ち切って燃えにくくなる性質を持っているからだ。一方、鉄は600℃を超えると強度が低下してしまう。また、木は腐りやすいと思われているが、腐朽菌は「温度」「水分」「酸素」「栄養」の4つが揃わないと繁殖しないので、しっかり乾燥させるなどの適切な処理をすれば1000年を超える耐久性の発揮も可能だ。

※圧縮・曲げ・引っ張りの値は建築基準法「長期に生ずる力に対する許容応力度」を採用。※木材は杉材平成12年建告第2465号六無等級材から圧縮・引っ張り・曲げは1.1/3の値に換算。※鋼材はSS400平成14年国土交通省告示第665号から厚み40mm以下の強度を1/1.5した値を換算。※コンクリートは基準強度24N建築基準法施行令第91条の長期に生ずる力に対する許容応力度を求めた。圧縮は1/3、引っ張り・曲げは1/30の値に換算。(以下資料を基に、「ミサワホーム総合研究所」により作成【)比熱・密度・膨張率】コンクリート、鋼材:「建築材料ハンドブック」棚橋諒編集/朝倉書店木材:「木材工業ハンドブック」改訂4版森林総合研究所監修/丸善(株)【熱伝導率】「平成28年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解説」監修:国立研究開発法人建築研究所他