トップ - HomeClub特集 / ライフスタイルを考える - デザイナーはトレンドをどう活かしたかTrend2 家族の居場所
2024.04.10
在宅時間が長いコロナ禍の暮らしは、多くの人にとって暮らし方を見直す機会になった。家族が一緒にいる時間の大切さ、家族みんなで食事をすることの喜びを、これまで以上に実感した方も多い。 一方で、ひとりになってリセットする時間の必要性を感じるようになったという声も少なくない。 また、一人ひとりがスマホやタブレットを持つことがあたり前になった今、家族それぞれが思い思いに楽しめるようになり、かつてのような大きなテレビに向かってテーブルを囲むというLDKのあり方も、大きく変わりつつある。こうした暮らしの変化を考えると、これからの住まいは、家族が程よい距離感でつながりながら、一人ひとりが自分時間を楽しめる心地よい居場所を、どれだけたくさんつくれるかが「トレンド」になっていくだろう。この他、在宅ワークの増加も近年の大きな変化の一つ。共働き世帯が多い今、住まいにもワークスペースが不可欠で、しかも複数必要という家族も多いはずだ。ミサワホームの住まいでは、仕事の内容によって使い分けができる複数のワークスペースを提案。リビングには、複数の心地よい居場所をつくりやすい空間の工夫を施し、庭やバルコニー、ワークスペースも一人時間を楽しむ場として活用できる設計に。さらにはヌックなどの空間提案も実施。これからのトレンドを、しっかり織り込んだ住まいづくりが可能だ。
一つの空間で家族それぞれ「心地よい居場所」を
ソファをさまざまな向きに置ける空間設計で、家族一人ひとりがつながりを感じながら、思い思いにくつろげるいくつもの居場所を実現。小抜さんがデザインしたのは、家族がTVに向かってテーブルを囲むという従来の過ごし方とは一線を画す、新しいLDKのあり方だ。
キッチンから家族の様子を見守れる
ミサワホームでは、リビングダイニングを一目で見わたせるキッチンを提案。リビングで勉強したり遊んだりしている子どもを見守りながら家事ができ、調理中でも家族との会話が楽しめる。忙しい子育てファミリーの家族時間を増やしながら、子どもの安全・安心にも貢献。
くつろぐ場となるアウトドア空間
コロナ禍を機に増えた要望が、自分時間を楽しむこと。廣瀬さんは、庭をそのための空間としてデザイン。都市部の敷地面積に限りのある住まいでも、壁面や植栽計画などで外部からの視線が遮られた心地よいプライベート空間を実現。
快適性と効率アップのための工夫をしたワークスペース
LDKとの間仕切りに造作収納を用いることで快適な仕事環境を整えた、吉田さんデザインによるご夫婦共用のワークスペース。リビングの一角やアウトドア空間などにも複数のワークスペースを提案するなど、共働き世帯も同時に在宅ワークが可能。
仕事や親子の学びの場になるホームコモンズ
個室タイプのワークスペースは、仕事はもちろん、子どもの学習や、親子が一緒に学び合える「ホームコモンズ」としても活用可能。この他、一人で趣味を楽しむなど、マルチに使える空間だ。
ヌックを設けて居心地のよい隠れ家空間に
ヌックとは、まるで隠れ家のような、こぢんまりとした空間のこと。壁やドアなどを設けず、段差や素材の変化でゆるやかな仕切りをつくるため、他の空間の家族とのつながりを感じながら、適度な「こもり感」を味わえる。読書や趣味を楽しむなど、忙しい毎日の中でほっと一息つく自分時間を過ごすのに最適だ。