トップ - HomeClub特集 / ライフスタイルを考える - デザイナーはトレンドをどう活かしたかTrend1 環境性能・災害対策
2024.04.10
1967年の創立以来、地震による建物の倒壊ゼロ※という実績を誇るミサワホーム。その秘密は、独自開発した「木質パネル接着工法」にある。あらゆる方向からの外力を建物の〝面〟全体に分散して受けとめる「モノコック」となる構造体は、耐震性能だけでなく、断熱性能にもすぐれる点が特長だ。この2つの性能は、環境性能と災害対策を高めるための重要な要素。高い断熱性能は、必要最小限のエネルギーで快適な室温の維持を可能にし、省エネにも寄与する要素で、性能が高いほど環境にやさしい住まいとなる。また、耐震性能が高い住まいは地震などの揺れに耐えるだけでなく、災害発生後に自宅生活を継続できる可能性も高めてくれる。つまり木質パネル接着工法は、もともと環境性能や災害対策に有利な工法といえる。加えて、住宅業界をリードしてきたエネルギー技術や、独自の制震装置の採用などで、構造体本来のポテンシャルをさらに高めた環境性能・災害対策を実現。業界随一のグッドデザイン賞受賞実績を誇るデザイン力と合わせ、美しさも両立。まさに「これからのトレンド」といえる住まいだ。
光のボリュームのメリハリがつくように
開口部の設計は断熱性能を左右するポイント。だが、性能数値を追うあまりに心地よさを犠牲にしては本末転倒。川喜田さんは、開口部の一つひとつが採り込む光のボリュームを、住まい全体でバランスよくメリハリをつけてデザイン。採光が織りなす美しさとすぐれた断熱性能を両立させた。
高断熱・高気密は住まい心地にどう配慮できるか
すぐれた断熱性能と気密性能は、たとえば個室ワークスペースでは音が響きすぎるというデメリットを生む場合も。小抜さんが大切にしているのは、空間の用途や求める心地よさに合わせて最適な性能をデザインすることだ。
「発電+蓄電+自家消費」をトータルデザイン
災害によるインフラ停止時もエネルギーを自給できるシステムをデザイン。創ったエネルギーの自家消費率を向上させるAIマネジメントの提案も。
倒れないではなく揺れない制震装置「MGEO(エムジオ)」
大地震でも建物が倒壊しないことはもちろん、建物の揺れそのものを軽減させ、クロスなどの内装材仕上げの損傷までも防ぐ制震装置「MGEO」を独自に開発。
「木の家」の時代 木質の構造体で脱炭素
木の住宅は材料製造時のCO₂排出量が鉄筋コンクリート住宅の約4分の1。鉄骨プレハブ住宅の約4倍も炭素を貯蔵でき、脱炭素社会の実現に大きく貢献。
LCCMをあたりまえにする「スマートECOフォルム」
大容量の太陽光発電システムを搭載できる「異種勾配屋根」や、温熱環境の効率化を図る設計で、斜線制限などが厳しい地域でもLCCM住宅が身近な存在に。
北海道ではガス発電機の「コレモ」がある
天然ガスでガスエンジンを稼働させて発電し、発電時に発生した熱を省エネ型給湯機「エコジョーズ」に送り、「エコジョーズ」が熱で温水をつくり室内で使用。光熱費の大幅節約が可能だ。
※地盤に起因する被害、地震に伴う津波や火災による被害は除く。