interview
自宅で簡単にできる
発酵あんこの話
料理家・発酵マイスター
榎本 美沙さん
砂糖を使わずにつくる
上品な甘さの発酵あんこ。
榎本さんの発酵あんこの動画は
再生回数88万超えと大人気。
その魅力についてお話を伺った
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- 料理は無限におもしろい
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今は料理を仕事にするほどですが、実は学⽣時代は、仕方なく家族の料理担当をさせられていたんです。けれど、雑誌などでレシピを調べながら料理をするうちに、おいしいが無限にできる料理って「おもしろい」と思って、料理にハマっていきました。中学や高校の友人が、今の自分を知るとびっくりすると思います。
シンプルな工程で簡単に
卒業後は広告会社に入りました。でも、料理の仕事に専念したいと思うようになり、退職。調理師学校に通って、料理家として独立しました。私が広告会社にいたこともあり、忙しい人でも気軽に丁寧な暮らしを楽しんでほしい‥‥。そう思って、シンプルな工程で簡単につくれるレシピを提案しています。
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- 発酵あんこを発案しました
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もともと自宅で、甘酒をつくっていました。米麹とお湯をひと晩、寝かせるとできあがり。あんこも好きだったので、同じ原理だなと思ってつくってみました。ゆでた小豆と米麹を混ぜて、炊飯器で保温して10時間そのままに。最後に塩を少し入れて、完成です。はじめて食べた時の感想は、意外にちゃんと甘いです(笑)。
砂糖を使っていないのに、甘い
米麹パワーはすごいなと思いましたね。ゆでた小豆に甘味はほとんどないのに、米麹がやさしくて上品な甘さを生み出してくれるんです。あんこをお好きな方でも、砂糖をたくさん使うのでそれが気になる人は多いんですね。でも、発酵だけで充分に甘くなるので、砂糖のことを気にせず食べられます。私があんバタートーストを食べるときは、発酵あんこをたっぷりのせています。
材料は、小豆と米麹と塩です
シンプルな料理で、簡単で、失敗しづらいんです。準備する材料は、小豆と米麹と塩だけ。私は、生の米麹を使っています。最近は発酵食品が人気なので、乾燥の米麹であればスーパーマーケットで、生の米麹は百貨店や自然食品店で手に入れることができます。
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- 幅広い年代の方がつくっています
- 発酵あんこの作り方の動画の再生回数は88万回を超えていて「毎週、発酵あんこをつくる日を決めています」など多くの人が楽しんでくれています。私以上に何度もつくっている方もいるようです。
腸活になります
発酵あんこは、米麹を使っているので腸活になりますね。腸内の善玉菌のえさになるオリゴ糖やぶどう糖ができるので、腸の調子を整えてくれます。それに、米麹が発酵させる途中でビタミンB群を生み出していくので、代謝促進にもいいんです。ヘルシーブームや免疫力の向上などがあって、発酵あんこは人気なんだと思います。
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- 親子で発酵あんこパフェ
- 親子で発酵あんこをつくるのもお勧めです。自分でつくったものを食べるのは、よりおいしく感じます。春だと、苺などのフルーツと合わせると、酸味が甘みを引き立ててくれます。それに、子どもたちは小豆に接する機会は少ないですし、そもそも知らないかもしれません。素材としての小豆を知るのもいいですし、ぜひ、米麹で小豆が変化することを体験してほしいです。
子どもたちの味覚を育む
最近、五味の感覚が失われている子どもが増えていると言われています。味の濃いものばかり⾷べていると、そうなりがちなのかもしれません。私自身が食べることが大好きなので、それは「とても、もったいない」と思っています。料理家としてやれることはやりたい。親子で発酵あんこをつくって、そこから子どもたちに料理の興味が生まれてくれるといいですね。
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- 発酵文化は日本の文化
- 発酵あんこと同じ原理で、発酵みそをつくることができます。「ひと晩発酵みそ」という名前で、書籍にもなりました。私は、みそが大好き。「みそは医者いらず」と言われるほど健康効果が高い食材です。それに発酵みそは、柔らかな甘みでほっとする味わい。塩分控えめなのも魅力です。発酵文化は日本の文化ですから、こちらも暮らしに取り入れていただきたいですね。
親子で料理や食べることを楽しんでほしい
結婚前から夫と料理をつくることが多くて、誰かと一緒に料理するのは大事と気づきました。身体のもととなるごはんを一緒につくることは、信頼関係につながると思います。それに、コミュニケーションが必要で、自然と会話が生まれていきます。料理が楽しくなるということは、人生が楽しくなるということです。ぜひ、ご夫婦や親子で、料理することや食べることを楽しんでください。
profile
- 榎本 美沙さん
- 料理家・発酵マイスター。会社員時代に夫婦で料理をするレシピ紹介サイト「ふたりごはん」を開設。その後、会社を退職し、調理師学校に通い独⽴。「発酵⾷品」、「旬の野菜」を使ったシンプルなレシピが⼈気で、雑誌や書籍、TVへのレシピ提供などで活躍中。YouTubeチャンネル「榎本美沙の季節料理」、Instagram(@misa_enomoto)、夫婦でつくるレシピサイト「ふたりごはん」も⼈気。著書に「からだが整う〝ひと晩発酵みそ〟」(主婦と⽣活社)、「ジッパー袋でかんたん季節の保存⾷」(家の光協会)などがある。
関連サイト
ふたりごはん
Instagram:@misa_enomoto