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トップ - THINK LIFE / ライフスタイルを考える - 石や葉の美しさを家族で見つけに行こう

interview

石や葉の美しさを
家族で見つけに行こう

造形作家
古賀 充さん

海のそばの町に暮らし、
身近にあるモノをモチーフに
作品をつくり続けてきた古賀さんに、
石や葉の美しさを、
家族で見つける楽しさを聞いた

  • はじまりは、石との出会い
    僕の作品づくりは、石との出会いからはじまりました。美術大学の学生のころに、作品をつくるより前に「美しいと感じるモノを探すところからはじめてみよう」と思ったんです。砂浜を歩いているときに、波で打ち上げられたたくさんの石を見て、このなかからなら自分が美しいと感じるモノをひとつ選べるかもしれないと思いました。そこから石を削った作品の制作がはじまりました。

    そのときの出会いを大切に
    石を探して作品をつくりはじめてから、海岸に打ち上げられている葉や流木も同じように美しいと感じるようになりました。葉を虫くいのように切り絵した作品や、台風の後に海岸に打ち上げられるたくさんの流木から恐竜の骨を発掘するように制作した作品など、海の近くの暮らしで出会うモノから作品が広がっていきました。
  • 写真3

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  • 身近にあるモノに惹かれて
    普段、何気なく過ごしていると、 身近にあるモノは見慣れてしまって、その美しさに気がつきにくくなってしまうので、少しだけ立ち止まってゆっくり観察してみたり、触れてみたり、作品をつくるなかで身近なモノが持つストーリーを再発見しているような感覚です。

    美しさを見出すことが楽しい
    知っていた気がしていたモノから「知らなかった!」と感じられることは、つくることの楽しさのひとつですね。銅線の葉の作品は、葉脈を数えながらつくるんですけど、葉に何時間も向き合ってると「こんな美しいものがあるんだ」と思います。手を加えていないそのままが、いちばん美しいと思っていて、そこに少しだけ手を加えて、そこにあるモノの素晴らしさに繋げていけたらと思って続けてきました。
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  • 波が石を削るように
    石の作品は、その素材にとって自然な方法を探しながら制作しています。石を波が削るように、石と砂と水を摺り合わせて削っています。自然がつくった形をなるべく残しながら‥‥。他の作品もそうですね。葉の切り絵の作品は、虫くいの葉を観察しながら針や、ちいさなカッターを使って切り出しています。素材との関係に無理がない方法をいつも探しています。

    石の歴史を想像しながら
    石は何万年も、何千万年もの時をかけてここにあって‥‥。それを実際に見ているわけではないけれど、想像しながら、そこにたどり着くまでの流れの続きとして、作品を形にしたいと考えるようになりました。石だけじゃなくて、どんなモノでも、ここに至るまでにストーリーを持っている。どうやってきたんだろうか?どうしてこの形になったの?とか。そう思うと、どんなモノでもおもしろいなと感じるようになりました。

    自分を映しています
    石については、いろいろな考え方をしている人がいます。それは「どういうことなんだろう」と、ある時、考えていたのですが、やっぱり自分を映してるのだと思ったんですよね。鏡のように。自然物という言葉のないモノと向き合ったときに、自然物そのものは何も表せなくて、自分を映している。だって、美しいという感じ方は人それぞれですから。
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  • 好きな石は、家族それぞれです
    家族と一緒に石を探しに行くと、それぞれが選ぶ石が全然違うんです。僕が美しいと思うモノ、子どもがかっこいいと思うモノも違っていて、模様だったり、手触りが良かったり、割れ方だったり、叩くと音がきれいだったり、意外なことに魅力を発見していたりして、おもしろいなぁといつも感じています。

    「自分はこれがいい」と感じる力を大切に
    子どもが、海岸で魚の骨の一部を見つけてくることがあって‥‥拾ってきたモノで、子どもは気に入っているけど、大人としては「どうしようかな」と思います。「まだわからないモノを受け止められるか」、大人が試されている気がしています(笑)。子どもは、魚の骨の一部を秘密の宝物のように思っている。その「自分はこれがいい」と感じる力を大切にしてほしいです。
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  • 家族で見つけに行こう
    家族で海岸にも行きますし、少し遠出して化石が入っている石を探しに行くこともあります。子どもが「バラぼっくり‥‥バラの花の形に似ているまつぼっくりがあるよ」と言うから、ヒマラヤシーダーの生えている公園を探して出かけてみたり。どんぐり拾いもやりますよね。いちばん大きいどんぐりを見つけた人が勝ちとか、どんぐりの背比べ大会とか言って‥‥。そこにあるモノだけで遊び方を考えて楽しんでいます。

    自宅に飾ってみよう
    子どもたちは、石や貝、振り回していた木の枝や流木をコレクションしたり、木の実や種も‥‥気がつけばいろいろ集まってきています。家族それぞれが美しいと感じた石や葉を、自宅に置いて飾るのもいいと思います。拾った日のことや、その石について一緒に話していると、子どもの新しい感性が見えてきたりして楽しいですよ。
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profile

古賀 充さん写真
古賀 充さん
1980年、神奈川県生まれ。造形作家。日常に潜む美しさやおもしろさを、さまざまな手仕事によって作品にし、国内外の展示会にて発表。昨年、「どちらでもあるもの展ー古賀充の視点」をATELIER MUJIにて開催。作品集や絵本を制作。「いしころ とことこ」「ピーン」「ゴトガタ トラック」などがある。(それぞれ福音館書店)。

関連サイト
古賀 充ホームページ

information

いしころ とことこ
小さな石ころが、砂浜で寝ています。おや? なんとぴょこっと立ち上がると、とことこ歩き出しました。足のついた不思議な石が何ともいえず魅力的。小さな石たちと一緒に旅をしている気分にさせる、写真絵本。展示会にて、新装版「いしころ とことこ」(福音館書店)が販売されます。