interview
自宅学習の力は
学びの基礎です
教育系YouTuber
葉一(はいち)さん
「子どもたちの学びは
自宅で学習する力というのが、
すべての基礎になっています」。
葉一さんに新学期の始まりに
自宅学習の強化について聞いた
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- 自分に合った自宅学習を
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子どもたちの学びは、自分で自分をコントロールして自宅で学習する力というのが、すべての基礎になっていると思うんです。自分の性格やライフスタイルにあった勉強法を組み立てて学んでいく‥‥そうすれば結果が出ます。成果が出ている子どもは自分の勉強法を持っている。東大生とかもそうですし、偏差値が低かったところから逆転した人は、勉強法に個性があふれています。
大人にとっても必要な力です
僕は、自分に合った勉強法の大切さを小中のころには気づいていなくて、高校のときに気づいていろいろと試しました。失敗談も含めて、それらを今は発信しています。できれば学生のうちに、自分に合った勉強法を探してみてほしいです。そして、学生の頃に見つけたノウハウは、仕事をするようになってからも自分自身を助けてくれるものだと思っています。
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- 春休みに学習習慣を身につけよう
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もうすぐ、春休みですね。新生活が始まると環境の変化でストレスがかかります。でも、春休みは余裕がある時期で、特に中学校や高校に入るときはかなり時間の余裕ができます。その時期に、決まった時間に決まった量の勉強をする習慣をつくっておくと、新学期からいいスタートができます。
たとえば、英単語に取り組んでみる?
たとえば、中学生だったら英単語が分かりやすいかな。新しいことを覚えようとして、どういうふうにしたら記憶できるのか。自分のなかで、自分に合う記憶法を探してほしい。人の記憶の定着は反復練習が必要です。その回数やタイミングは、人それぞれなので「自分としては、どれくらい反復しなくちゃいけないのか」を見出せるといいですね。
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- 集中力はコントロールするもの
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子どもたちから自宅学習での集中力について相談されます。「集中力がないんです。どうしたらいいですか」、「集中力を上げる方法を教えてください」とか。そういった悩みをもっている子どもの多くは、自分に集中力がないと思っています。ですが、集中力は「集中力がない」と嘆くものではなくて「コントロールする方法を知らないだけ」と切り替えるべきだと思います。
勉強は、時間を捨てて、量で決める
子どもたちは、勉強を時間で決めがちです。「今から1時間勉強するぞ」みたいな‥‥。でも、時間で決めるのは良くなくて、だらだらやっても1時間は過ぎてしまいますから。時間を捨てて、量で決める。自分が「ここまでは行けそうだな」と本気で思う量を決めてから「この量なら何分かな」と時間をくっつける。そうすると、集中して取り組むことができます。
いろんな場所で勉強してみる
自分が飽き性なのもあって、いちばん勉強した高校生のときには、自分の部屋もそうですし、リビングで勉強とか、立ちながら勉強とか、地べたに座って勉強とか。体を動かしていた方が暗記にはいいと言われていたので、家のなかをうろうろしながら‥‥家全体を使って勉強していました。集中力が落ちてきたときに上げるのは難しいので、場所を変えてみるのもお勧めです。
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- 集中力は切れやすいんです
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集中力を妨げるスマホは、目に入るところに置かないでください。「通知を切っているから、いいでしょ」という子どももいるんですけど、スマホのなかに誘惑物があることを認識しています。「SNSが更新されているかも」、「LINEのメッセージが届いているかな」と思った瞬間に、集中力が切れてしまいます。集中力は厄介で、オンにするのは難しいですけど、オフにするのは簡単です。
スマホは枕の下に
僕の場合、学生時代はガラケーでしたけど、枕の下に置いていました。子どもたちに、この話をすると「枕の下でも気になる」と言われるんですけど「でも、気になる回数が減ったでしょ。それでいいんだよ」と伝えています。もしもっとメリハリを付けたいなら家族にスマホを預けたり、一定時間ロックがかかる箱にスマホを入れてしまうなどもありです。昔よりも集中力を妨げるものが増えているので、自分なりの対応策を見つける必要がありますね。
集中力をオンにする方法
集中するスイッチをオンにするためには、休憩後とか、もしくは授業中に、勉強するものを決めてしまえばいいんです。それも、科目ではなくて「数学のこのワークのこの問題から始める」と決めておくことが重要です。そうして、勉強を始めるときの「なにをやろうかな」のモヤモヤを減らすことでスタートしやすくなります。スタートさえできれば、意外ともう30分経ってたなんてことも起こるものです。
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- 子どもたちを監視しない
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僕は、リビング学習を推している人間で、小中高とリビングで勉強できれば、それでいいと思います。ただ、多感な時期になって親と距離をとりたい子どもも出てきます。そういうときは子ども部屋があるといい。リビング学習で大事なことは、親御さんが監視している人間にならないこと。子どもは監視されていると思った瞬間に、リビングで勉強するのが苦痛になって、リビングで勉強しなくなるんです。
いつでも、頼っていいよ
僕は、息子が幼いころは算数クイズを出したりして、勉強に興味を持つようにしていましたが、9歳の長男に僕から勉強のことであまり口は出しません。でも「わからないことがあったら頼っておいで、どんな質問でも絶対に答えるから」と言い続けてきました。監視や強制ではなく、寄り添う姿勢が重要です。
家族一緒にがんばれる場所
リビングで家族が一緒に並んで勉強する‥‥一緒になにかをがんばる場所があるのがいいですね。わが家はリビングで、長男と次男が勉強している横で、私が編集することもあります。これは、親子関係にもよるかもしれませんけど、一緒になにかをする場所があるのがいい家だと思っています。春は、なにかを始めるのに、いい季節です。ぜひ、親子で自宅学習の強化に取り組んでみてください。
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profile
- 葉一(はいち)さん
- 教育系YouTuber。1985年福岡県生まれ。9歳と6歳の男の子の父。葉一は、「葉」は四つ葉の葉から取っていて、見てくれている、関わっている子どもたちに幸運が起こりますようにという願掛け、「一」は本名の名前から。東京学芸大学卒業後、教材会社の営業職、塾講師を経て独立。著書は「合格に導く最強の戦略を身につける! 一生の武器になる勉強法』(KADOKAWA)」「塾へ行かなくても成績が超アップ!自宅学習の強化書(フォレスト出版)」など。
関連サイト
葉一公式サイト