2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて
高断熱住宅は、もはや当たり前です。
平成28年に改正された住宅の「省エネルギー基準」には、3つの大きなポイントがあります。まず、住まい全体の省エネルギー性能が比較・検討しやすくなる「一次エネルギー消費量基準の導入」。一次エネルギーとは、化石燃料や太陽光など自然から得られるエネルギーのことで、これらを変換・加工した電気・石油・都市ガスは二次エネルギーといいます。家庭で使うことの多い二次エネルギーを一次エネルギー消費量に換算することで、住まいの総エネルギー消費量を同じ単位で求められるようになりました。2つめは、「外皮表面積を熱性能の基準とする」こと。外皮(外壁や窓など)の熱性能を、外皮表面積当たりの熱性能値である熱貫流率(UA値)と、冷房期の平均日射熱取得率(ŋAC値)によって評価。住宅の規模や形状に左右されにくい基準となっています。そして3つめが、「地域区分の細分化」。日本の国土は南北に細長く、地域により気候が異なります。そこで、全国を8つの地域に細分化。地域の気候特性に即した基準値が定められています。
地域区分 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
外皮平均熱貫流率の基準値[W/(㎡・K)] | 0.46 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 | ー |
冷房期の平均日射熱取得率の基準値 | ー | ー | ー | ー | 3.0 | 2.8 | 2.7 | 3.2 |
ミサワホームの住まいは、木質パネル同士を高分子接着剤で接合した「木質パネル接着工法」を採用しています。木質パネルは、工場生産時に柔らかくて軽量なグラスウールを充填。パネルは格子状の芯材で内部を仕切った仕様のため、グラスウールが年とともに自重でずれたり、ムラができる心配がありません。高精度な構造のため、断熱性にすぐれた90㎜の木質パネル(標準仕様)と開口部の「AFサッシ」「AZサッシ」で省エネルギー基準に対応することもできます。また、地域ごとの基準やご要望に合わせて、さらに高性能な仕様も選択可能。より断熱性の高い120㎜の木質パネルと、高断熱の「樹脂サッシ」を組み合わせることで、さらに高い断熱性能を実現することができます。
ミサワホームの住まいは、標準仕様で各地域の「省エネルギー基準」に対応可能。外皮平均熱貫流率(UA値)は表のように、3・4・6地域いずれも1990年頃の木造住宅相当の半分以下に抑えられる計算になります。高断熱仕様なら、さらなる高性能を実現。3地域でUA値0.33W/㎡・Kが可能です。年間光熱費を比較すると、6地域の場合、1990年頃の木造住宅相当の45.6万円に対して、ミサワホーム標準仕様は19.9万円も安い25.7万円、高断熱仕様なら20.3万円も安い25.3万円。冷暖房エネルギーの抑制に大きな効果があり、ランニングコストの大きな差となって表れるのはもちろん、環境負荷の低減につながります。
住まいの省エネ性能を高めるには、住宅の高断熱化に加えて気密性を向上させることも重要です。気密性が低い隙間だらけの家では、冬は温めた空気が外へ逃げ、夏は冷房による冷気が逃げてしまいます。ミサワホームでは、気密性の高い木質パネル接着工法に加えて、建物内部や配線・配管周り等の気密性を強化した「気密1.0仕様」をご提案しています。漏気や外気の流入が少なくなるため、暖房期に室内の上下温度差を抑制するほか、冷暖房効率の向上、壁内結露の防止など、さらなる快適性や省エネ効果の向上に貢献します。さらに、24時間最適な換気を行う「フロアセントラル換気システムA7型」と組み合わせることで新鮮で清浄な空気を効率的に室内に供給します。
建物内外温度差を1℃としたときに、建物内部から外部へ逃げる単位時間あたりの熱量(換気による熱損失を除く)を、外皮等面積の合計で割った値。数値が小さいほど性能が高いことを表します。外皮とは、熱的境界になる外壁・床・天井(屋根)・窓・ドアなどのこと。
単位日射強度当たりの日射により建物内部で取得する熱量を冷房期間で平均し、外皮等面積の合計で割った値。数値が少ないほど、住宅内に入る日射熱が少ないことを表します。