偶然にも同じ時期に失恋したアマンダ(キャメロン・ディアス)とアイリス(ケイト・ウィンスレット)。どこか遠くで気分を変えたい!そう思った二人は「ホーム・エクスチェンジ」のサイトで互いの家を2週間だけ交換することに。そこでアマンダは、アイリスの兄・グラハム(ジュード・ロウ)と知り合う。一方、アイリスにも新たな出会いが訪れて…。
監督:ナンシー・メイヤーズ
出演:キャメロン・ディアス、ケイト・ウィンスレット、ジュード・ロウほか
『ホリデイ』
ブルーレイ&DVDセット
発売元:ジェネオン・
ユニバーサル・エンターテイメント
¥2,500
バカンスの間だけ、誰かの家に住めるとしたら―あなたは、どの国のどんな家を選びますか?
『ホリデイ』は「ホーム・エクスチェンジ」のウェブサイトで、互いの家を2週間だけ交換することにした二人の女性の物語。ロサンゼルスで映画のCM制作会社を経営しているアマンダ(キャメロン・ディアス)とロンドンの新聞社に勤務するアイリス(ケイト・ウィンスレット)。かたやロスの豪邸、もう一方はロンドン郊外のコテージ。自分の家とは違う住環境にワクワクする二人。
アマンダの豪邸は、抑えめの色調でまとめられた、センスの光るインテリア。大きなプールや膨大なDVDライブラリーのAVルーム、ボタンひとつで自由自在の寝室…豪華なホテルに泊まりに行ったような楽しさが味わえる。
一方、アイリスの家は、童話に出てくるような可愛らしいコテージ。狭いスペースにぎっしりと家具や装飾品が並んでいて、特に色を統一したわけではないのに、全体が調和している。アイリスが少しずつ集めたものの集大成のような部屋で、愛着が感じられる。
住む家を交換した二人には、新鮮な出会いが待っているのだが、二人が出会った人たちの家もまた素敵。中でもアマンダが出会ったある人の子ども部屋はなんとも真似のしたくなる可愛さ。映画ならではの夢を見せてくれながら、身近な素材で参考にできる住み心地のいい部屋のヒントが、この作品にはたくさん散りばめられている。
監督・脚本は、ナンシー・メイヤーズ。女性ならではの実感から生まれる会話やエピソードのディテイルが、やわらかな共感を呼んで、二人に訪れる出会いの物語をありきたりなラブストーリーにしない。新たな家で新たな人生の扉を開ける二人。家は、何かを変える入口でもあるのかもしれない。
文◎多賀谷浩子(映画ライター)