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グラン・トリノ

©2009 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

グラン・トリノ

あらすじ

近年、監督としての評価が目立つイーストウッドだが、この作品のウォルト役は彼以外では成り立たないだろう。年を重ねた男ゆえの格好よさとおかしみ。監督としての語りの巧さは言うまでもないが、ちょっとしたさじ加減で笑いと哀愁を誘うウォルトの持ち味はまさに彼ならでは。ラスト・シーンについても何層もの意味合いが読み取られ、深く胸に響く。

『グラン・トリノ』
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、ビー・バン、アーニー・ハーほか

『グラン・トリノ』
ブルーレイ 2,500円(税込)
DVD 1,500円(税込)
発売元・販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ

DVD

憧れのガレージ

父から子へ。次の世代へと受け継がれる男どうしの絆には、母と娘の間にはない何かがある。『グラン・トリノ』は、まさにその言葉にならない「何か」を巧みに閉じ込めた映画だ。クリント・イーストウッドは、この作品を自身の最後の出演作にするつもりだったらしいが、まさにそれにふさわしい名作になっていて、男の人生の締め括り方という点でも、見終わった後に深い余韻を残す。

タイトルの「グラン・トリノ」は、イーストウッド演じる主人公、ウォルト・コワルスキーの愛車。彼が所有するのは72年型で、ステアリング・コラムはかつてフォードの組立工だった彼自身がつけたもの。この車は彼の誇りであり、分身のような存在なのだ。
そんな大事な車が、ある日、盗難に遭う。自らピンチを阻止したウォルトだが、犯人は隣家に越してきたばかりのモン族の少年タオ=B妻を亡くしたばかりで、実の息子たちとうまくいっていないウォルト。父親的な存在に飢えていたタオ。苦々しい出会いを経験した二人は、その後、いくつかの偶然に導かれ、不思議な絆を築いていく。学校にも行かず、職も持たず、迷いの中にいるタオ。そんな彼にウォルトは働く自信をおぼえさせ、あらゆる場面で男の流儀を教え込んでいく。少しずつ逞しく大人の男に成長していくタオをウォルトが見守るシーンは、なんとも心ニクイ場面だ。

男から男へ。愛車「グラン・トリノ」は、タオがウォルトから受け継ぐものの象徴でもある。50年がかりで集めたという工具が整然と並ぶガレージは、まさに男の憧れといった風情。数々の工具に感激するタオ。それを惜しみなく彼に与えるウォルト。受け継ぐ者がいて初めて、人は人生を全うできるのかもしれない。血のつながりを越えた二人の絆が、そう物語っている。

文◎多賀谷浩子(映画ライター)

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